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M・ナイト・シャマラン監督が久々に最高スコアを獲得『ノック 終末の訪問者』

ノック 終末の訪問者(字幕版)
『ノック 終末の訪問者(字幕版)』
デイヴ・バウティスタ,ベン・オルドリッジ,ジョナサン・グロフ,ニキ・アムカ=バード,ルパート・グリント,クリステン・ツイ,アビー・クイン,M・ナイト・シャマラン,スティーヴ・デズモンド,マイケル・シャーマン,M・ナイト・シャマラン,M・ナイト・シャマラン,マーク・ビエンストック,アシュウィン・ラジャン
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 『シックス・センス』など、"どんでん返し映画"を多く生み出してきたM・ナイト・シャマラン監督。賛否両論の作品もある中、2016年の『スプリット』以来、最高のロッテン・トマト・スコアを獲得した作品がありました。タイトルは、『ノック 終末の訪問者』。世界の終末を防ぐために究極の選択を迫られる家族を描いた作品で、震えるシーンが多い一方で、深く考えさせられる内容にもなっていました。

 ゲイカップルのエリックとアンドリュー。彼らは養子のウェンとともに人里離れた山小屋で休日を過ごしていました。ウェンが外でバッタを捕まえようとしていたところ、大男が近づいてきて「友達になろう」と言ってきます。やがてその大男を含む男女4人が、武器を持ち、無理やり家に入ってきてしまうのです。状況が理解できないまま、囚われの身となってしまったエリックたち。さらに、自分たち家族は"選ばれ"、「黙示録を防いで世界を守るために、家族の一人を犠牲にしなければならない」と伝えられ、事態は複雑化していきます。

2023年2月に米映画サイトScreen Rantは「ロッテン・トマトにて72%のフレッシュ・スコアを獲得し、シャマラン作品としては、2016年以来最高のスコアである」と報じていました。見知らぬ人々がやってきて、究極の選択を迫られるという、かなりシンプルでわかりやすい内容。それにもかかわらず、その中には複雑なトリックが散りばめられていて、鑑賞後に見返したくなる意欲を掻き立てられる。そんなところが、最高スコアを獲得した理由だったのかもしれません。

 2000年の『アンブレイカブル』、2002年の『サイン』、2004年の『ヴィレッジ』など、観客の予想を上回るどんでん返しを含む作品を次々と発表してきたM・ナイト・シャマラン監督。監督自身も、本作の意外なところでもカメオ出演しています。
 あっと驚くようなどんでん返しがあるわけではありませんが、シャマラン作品好きな方はぜひ。

(文/トキエス)

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