反抗期真っ只中の女子vs脱獄したネオナチ凶悪犯『BECKY ベッキー』
- 『BECKY/ベッキー(字幕版)』
- ルル・ウィルソン,ケヴィン・ジェームズ,ジョエル・マクヘイル,ジョナサン・ミロ,カリー・マーニオン
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13歳といえば、思春期やら反抗期やらが重なる複雑な時期。筆者が振り返っても13歳の時は感情のコントロールが難しく、何に対してもイライラしていたような気がします。そんな13歳の反抗期女子が、脱獄したネオナチ集団と対決する異色のバイオレンススリラー『BECKY ベッキー』を今回はご紹介。主人公ベッキーを演じるのは、『アナベル 死霊人形の誕生』などで知られるルル・ウィルソンです。
ベッキーは、1年前に大好きな母親をガンで亡くし、悲しみを抱えた13歳。また父親ジェフに対して反抗的で、常に怒りを露わにしています。ジェフが学校へベッキーを迎えに行き、コンビニに寄ると、ベッキーは平然と万引きをする。「話がしたい」と言っても音楽を大音量でかける。そんな問題児なのです。
ジェフが学校へ迎えに行ったのは、父と娘の「仲直りのための週末」を過ごすためでしたが、母との思い出の別荘を売ろうとしていたジェフにブチギレていたベッキー。彼女に対し、売却するのをやめたと伝え、やっと父と娘が仲直りできた!と思った数秒後には、なんとジェフの恋人が息子を連れて登場。「なんであの人がいるの......?」母親の死を乗り越えられていないベッキーは動揺し、森の中へと愛犬とともに姿を消してしまうのです。 そんな中、迷子のペットを探しているという大男ドミニクがドアベルを鳴らします。実はドミニクは、輸送中に脱走した囚人4人組の首謀者で、地下に隠された謎の鍵が目的とのこと。ジェフたちに銃を突きつけたドミニクは、やがてベッキーが鍵を持っていることを知り、彼女を捕まえようとします。
まるで『ホーム・アローン』シリーズを彷彿させるかのような、子どもが大人に対し「捕まえてみなよ!」と挑発するシーンが多い本作。しかし、『ホーム・アローン』のようなほっこりとした感じは全くなく、怒り狂った思春期の暴走が、グロテスクシーンをどんどんと生み出していくのです。中には目を背けたくなるような痛々しいシーンも。怒りに満ちた暴走する思春期女子の恐ろしさと、極悪なネオナチ集団を対決させた本作は、アメリカでかなり話題になりました。ベッキーを演じたルルの悪ガキっぷりも必見。手に追えない子どもを生き生きと演じている彼女がなんだか輝いて見えました(笑)。
(文/トキエス)