音楽を通して描いた"魔法の世界"で批判の的に『ライフ・イズ・ミュージック』
- 『ライフ・ウィズ・ミュージック[DVD]』
- ケイト・ハドソン,マディ・ジーグラー,レスリー・オドム・Jr.,Sia
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オーストラリア出身の歌手、シーアが監督デビューを果たし共同脚本を務めた『ライフ・イズ・ミュージック』。音楽を通して生まれる"魔法のような思考"をカラフルに描いた本作は、たくさんの批判を浴びたことでも知られています。そんな本作、いったいなぜ、批判も多く評価も低かったのでしょう。
本作は、言葉を話すことができない自閉症のミュージック(マディ・ジーグラー)と彼女の異母姉ズー(ケイト・ハドソン)の物語。アルコール依存症で問題ばかり起こしていたズーはあることをキッカケにミュージックの保護者に指名され、奮闘する姿を描いています。この映画では、自閉症であるミュージックが感じとる音楽の美しさをダンスで描き、シーア独自の世界観が楽しめます。
しかし、そんな本作は多くの批判を浴びることに。それは、ミュージック役を当時18歳だった若手ダンサーのマディ・ジーグラーが務めたことにありました。マディは自閉症ではなかったこと、そして劇中でのミュージックの自閉症患者としての描き方が"ステレオタイプ"だとして、多くの怒りの声を買ってしまったのです。
劇中では、ミュージックが音楽を聞くと変身し、色鮮やかで活気に満ちた鮮やかなファンタジーの世界が広がります。そしてこの世界では、ミュージックはダンスを踊り健常者として描かれているのです。しかし、一見美しく映し出されたこのシーン、一部のオーディエンスに「自閉症は治すべき病気であると示唆している」と捉えられたのも事実。また、自閉症についての明確なメッセージを持っていなかったことと、同作のミュージカルナンバーを収録したアルバムを映画と同時に発表したことによって、シーアは自閉症を単にアーティストとして売り込むための"商品"にしていたのではないかという声も。このように辛辣な声が多く寄せられた本作ですが、マディはもちろんのこと、実力派女優のケイト・ハドソンのダンスシーンは魅了させられるポイントです。あなたは本作を見てどう感じますか......?
(文/トキエス)