急速に老いていく恐怖『オールド』
- 『オールド [Blu-ray]』
- M・ナイト・シャマラン,ガエル・ガルシア・ベルナル,ヴィッキー・クリープス,アレックス・ウルフ,トーマシン・マッケンジー
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『シックス・センス』や『ヴィジット』など、衝撃的すぎるどんでん返し映画が得意なM・ナイト・シャマラン監督。彼が手がけた最新作『オールド』は、急速に老いていく恐怖を描いており、シャマラン監督ならではの結末はもちろん、カメラワーク、話のテンポ、全てに惹かれっぱなしの一本でした。
別れを決意し、子どもたちと"最後の旅行"に行こうと決めたガイ(ガエル・ガルシア・ベルナル)とプリスカ(ビッキー・クリープス)夫妻。6歳のトレントと、11歳のマドックスを連れてやってきたのは南国のリゾートで、そこでなんとマネージャーからプライベートビーチへの招待がありました。そのビーチには、他にも外科医と妻・娘、そして外科医の母の一家、看護師のジャクリンと心理学者パトリシアの夫妻、そして人気ラッパーのミッドサイズ・セダンがいました。美しいビーチを満喫していた一行でしたが、なんとミッドサイズ・セダンの連れだった女性の死体が発見され、事態は一変。全員、ビーチから離れようとしますが、帰り道の洞窟を通ると気を失ってしまうのです。さらには、子どもたちも急に成長し始め......。
一体、彼らに何が起こっているのか......ゆっくりと考えている暇はないほどストーリーのテンポがとっても早い。そしてカメラワークがとっても独特なんです。子どもたちがタッチされたら止まるという遊びをしているのですが、そのシーンがとっても不気味。そんな本作、全編ドミニカ共和国で撮影されていて、ビーチは神秘的で不気味なほど美しい。ちなみに、シャマラン監督の娘であるイシャナさんがセカンド・ユニット・ディレクターを務めるという親子共同で作り上げた作品でもあるのです。
書き始めるとキリがないほど、惹きつけられる理由はたくさんありますが、彼の作品が「賛否両論」と言われる理由も、彼が「ハリウッドを覆す作品を生み出す存在」と言われる理由もどっちも深く理解できた一本でした。
(文/トキエス)