鳥肌が止まらない...若手画家の心の闇×都市伝説『キャンディマン』
- 『キャンディマン(2021) ブルーレイ+DVD [Blu-ray]』
- ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世,テヨナ・パリス,ネイサン・スチュアート=ジャレット,コールマン・ドミンゴ,ヴァネッサ・ウィリアムズ,トニー・トッド,ニア・ダコスタ
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近年、『ハロウィン』や『チャイルド・プレイ』など昔に大ヒットした映画のリブート版(もしくは、何年ぶりかの続編)が登場するなどしてホラー映画業界が大いに盛り上がっています。そんな中2021年に注目を浴びた作品の一つが『キャンディマン』。キャンディをくれる怖いおじさんの都市伝説で、予告編を見ると「なんだ、この怖そうな新ホラーは!」と思いますが、実はこれ、1992年に公開されたオリジナル版の繋がりが所々に散りばめられている一本でした。
舞台はシカゴの公営住宅「カブリーニ・グリーン」。ここには昔から伝えられているある都市伝説がありました。それは、日本でいう「リリーさん」のようなもので「鏡に向かってキャンディマン5回名前を唱えると、殺人鬼に切り裂かれる」というもの。キャンディマンは、片手がかぎ爪となった殺人鬼。この話を聞いた若手の画家アンソニーは、自分の創作活動がスランプ状態だったこともあり、キャンディマンの謎を探って自分の作品に活かそうと考えます。しかし、その都市伝説には悲惨な"裏の物語"が隠されていて......s。
本作の何が怖いって、アンソニーがどんどん狂っていくところ。スランプ状態だったからこそキャンディマンに異常に執着していくのです。そんな彼のアートもまた大惨事が起こるきっかけとなってしまい......。アンソニーを演じているのは『アクアマン』や『アス』の出演などでも知られるヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世。途中に目の色が変わるドアップのシーンがあるのですが、その演技を含め、全てが怖い。
ちなみに本作の序盤では、ヘレン・ライルという女性の物語が語られるのですが、このヘレンはオリジナル作品の登場人物。また、ヴァネッサ・ウィリアムズがアン=マリー・マッコイ役を、トニー・トッドがキャンディマン役をそれぞれオリジナル版から続投しているのも興味深いポイントです。リブート版のように感じられるこの一本、もちろんこの作品単品でも楽しめたので、過去とのつながりが気になるかたは、ぜひオリジナル版のシリーズを続けてチェックしてみてください。
(文/トキエス)