ニコラス・ケイジは人類滅亡を防げるのか 『ノウイング』
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ディザスター・ムービー。いわゆる「地球ピンチもの」である。歴代の映画でその理由は様々であった。「火山」「地震」「ウイルス」「隕石」「津波」...。幾度も地球はピンチに陥っては寸止めで助かってきたのをみなさんもご存知であろう。なので、当然『ノウイング』もよくある起承転結だろう、と期待もせずに観たワケである。
宇宙物理学者ジョンの息子ケイレブが通う小学校では、タイムカプセルを掘り起こす記念式典が執り行われていた。50年前の生徒たちが描いた絵の中から、ケイレブは数字が羅列された奇妙な紙を持ち帰ってくる。ふとした拍子にその数列に意味があるのではないかと違和感を感じるジョン。そこには、過去の大惨事を予言させる数字が残されていた。
ジョン演じるニコラス・ケイジの、地球の滅亡を知ってしまったけれど、自分には為す術もない、という絶望的な演技が絶妙で、なかなかクセになる。前半はややオカルト風味で、不可解な暗号にまつわる謎解きシーンが多い。中盤では地球の風向きが悪くなり、飛行機の落下事故や電車事故などが起きるのだが、こちらも迫力満点に描かれている。後半はというと、え、そっち?という意外な方向へ突き進んで行く。クライマックスはハッピーエンドでもなく、バッドエンドでもない、ディザスター・ムービーとしては新しい見せ方をしているので、予想を裏切る展開に驚かされるはず。
(文/峰典子)