もやもやレビュー

ライリー・キーオの怪演が光る『ロッジ ―白い惨劇―』

ロッジ −白い惨劇−
『ロッジ −白い惨劇−』
ライリー・キーオ,アリシア・シルバーストーン,リチャード・アーミティッジ,ジェイデン・マーテル,リア・マクヒュー,ゼヴリン・フィアラ,ヴェロニカ・フランツ,Aaron Ryder,Simon Oakes,Aliza James
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 『アンダー・ザ・シルバーレイク』や『悪魔はいつもそこに』でかなり印象的な演技をしていた女優のライリー・キーオ。彼女がカルトの集団自殺で唯一生き残った女性を演じているホラー『ロッジ ―白い惨劇―』を鑑賞しました。終始ダークな雰囲気を醸し出している本作は、ドキっと驚かせてくるホラー映画とは真逆で、驚くこともなければショッキングすぎる映像もほぼない。なんだか心に重くくる一本でした。

 母を亡くしたエイダンとミア。2人は、父親に連れられて田舎のコテージへとやってきます。毎年家族恒例で来ていたコテージでしたが、今回は父親の恋人グレイス(ライリー・キーオ)も一緒。母を亡くしたばかりで傷が癒えていないエイダンとミアに、グレイスは仲良くなろうと話しかけますが、子供たちがつくる壁は分厚くなかなか打ち解けられません。超気まずい雰囲気の中、父親が急な仕事でコテージを数日間離れることに。グレイスは子供たちの世話を任され、なんとか映画をみたりクリスマスのデコレーションをしたりと奮闘しますが、一方、コテージの中では物がなくなってしまうなど怪奇現象が勃発。さらにグレイスの過去のトラウマが徐々に蘇り......。

 父の恋人グレイスとは一体何者......?子供たちがインターネットで調べたところ、彼女はカルトの集団自殺で唯一生き残った少女だったのです。カルト集団自殺の映像までみてしまったエイダンとミア。もちろん実際にグレイスと会った時も気軽に「初めまして」なんて言えません。一方、「新たな温かい家庭を築けるかもしれない」と人生で前を向き始めたグレイスでしたが、吹雪の中に閉じ込められたロッジの中でだんだん狂っていってしまう。吹雪で閉じ込められる=『シャイニング』を思い浮かべる人は多いでしょう。本作は他にも、主演の怪演が光り、終始気味の悪さが漂い、迫ってくるような音楽があると言う部分に関しては『シャイニング』と共通点がありました。ちょっぴり衝撃的で物議を醸し出しそうな結末にも注目です。

(文/トキエス)

 

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