もやもやレビュー

うまくいかないときは変身だっ!『トッツィー』

トッツィー [Blu-ray]
『トッツィー [Blu-ray]』
ダスティン・ホフマン
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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仕事にアツい人は「やる気があっていい!」と好印象を抱かれやすいが、熱意のあまり納得のいかないことにいちいち反論するタイプだと、あっという間に厄介者扱いにされたりする。

『トッツィー』(1982)のマイケル(ダスティン・ホフマン)はまさしくアツすぎて、駄々をこねすぎる人である。職業は俳優。つべこべ言う性格が業界中に知れ渡り、2年も仕事が入ってきていない。

こんなときは、キャラを変えてしまえ!とマイケルはドロシーという名の女優に大変身を遂げる。くりんくりんのおばさん風ウィッグにペイズリー柄のシャツと茶色いスカートをマッチ。髭の剃り跡を隠すために化粧は厚塗り。これはバレないかも......と思わせる変装ぶりで訪れた昼メロのオーディションで"ドロシー"は見事採用されてしまう。

物事をハッキリ言う強気な彼女の役柄は、瞬く間に女性陣の間で大ヒット。視聴率は上昇、ファンレターは殺到、女性誌の表紙まで飾りはじめる。絶好調で忘れそうになるが、"ドロシー"は女性じゃない。常につきまとう、いつバレるんだ問題......。出演者であるジュリー(ジェシカ・ラング)の父親(チャールズ・ダーニング)にはすっかり気に入れられてしまうし、際どい場面もチラホラ。それでもガハハと笑えるシーンは最後まで健全。とくにドロシーに変身して間もなく出くわすエージェントの仰天ぶりは必見である。

(文/鈴木未来)

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