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子供視点の恐怖を描く『フッテージ デス・スパイラル』

フッテージ デス・スパイラル [DVD]
『フッテージ デス・スパイラル [DVD]』
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ギャガ
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 イーサン・ホークが主演を務めた2012年のホラー映画『フッテージ』。イーサン演じるノンフィクション作家の家族におこった悲劇を描き話題となりましたが、続編『フッテージ デス・スパイラル』は、目線を大人から子供へと移し、どのようにして悲劇が繰り返されているのかを描いています。

 暴力をふるう夫から逃げるため、双子のディランとザックを連れて、田舎の一軒家へと移り住んだコートニー。しかし、引っ越してからディランは悪夢にうなされていました。彼は地下にある映写機を発見。フィルムを再生すると、そこには恐ろしい殺人現場の映像が収められていました。実はこの家、ブグールという邪神に取り憑かれていた曰く付き物件だったのです。ある日、ここを空き家だと思い訪ねてきた元副保安官の男は過去の事件について調べるため、コートニーたちの家に泊まることに......。

 前作でチョイ役だった副保安官が再登場し、大活躍する一本。本作は、前作とはまた違い子供達がどのようにして事件に巻き込まれていくかを描いているため、前作で不鮮明だった部分がより明確に。注目すべきはディランとザックの関係。最初は仲良くしていたものの、ディランが子どもたちの幽霊と交流するようになってから、対立し始めるのです。ちなみにザックにも幽霊が見えており、「ディランの方が賢い」と彼らに言われたことから、どんどんバイオレンスになっていくのです。子供が使ってはいけないような言葉で母のコートニーを罵り出すシーンも。子供ながらのプライドや嫉妬などが生み出す衝撃的物語。果たして家族はどうなってしまうのでしょうか、暴力夫との関係の変化もポイントです。

(文/トキエス)

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