完璧主義者が他人に心を開くまで『幸せのレシピ』

キャサリン・ゼタ＝ジョーンズとアーロン・エッカート共演のラブコメ映画『幸せのレシピ』。完璧主義者である主人公が、正反対なタイプの人に心を徐々に開いてく姿が描かれている本作は、"他人は信じない"主義の人におすすめの一本。他人を疑わないことで得られる幸せみたいなものが描かれています。

主人公はキャサリン演じる完璧主義者のシェフ、ケイト。彼女は「同じビルに住む人とデートはしない」「仕事中にお酒は飲まない」など自分なりのルールのもと生きていました。完璧であるがゆえ、自分の料理を理解しない客にキレてしまうことも......。そんな彼女は、姉の突然死をきっかけに姪のゾーイを引き取ることに。休暇から戻ったケイトでしたが、自分の職場に新たな料理人のニックが副料理長として働いていたのです。厨房で音楽をかけ、ノリノリで料理するなど、自分とは全く正反対で予測不能なニックに混乱し敵対心を持つケイト。しかし彼の楽観主義な部分に助けられ......。

本作では、ケイトが作る料理に姪のゾーイがなかなか手をつけないというシーンがあります。「心に傷のある子供に何を食べさせたらいいのかわからない」と悩むケイトでしたが、ニックはあるものを使って、いとも簡単にゾーイに料理を食べさせるのです。とても感動的で、ニックが"ただの陽気なやつ"ではないことが理解できるシーン。そのほか、美味しそうな料理もたびたび登場する本作。果たして完璧主義者のケイトがどのようにしてニックに心を開いていくのか。そこに注目してぜひ鑑賞していただきたいです。他人を一切信じないケイトの変わっていく姿を見れば、時には心を開くことが大切だと気づかせてくれるはず。

（文／トキエス）