熟年離婚の危機を乗り切るには『31年目の夫婦げんか』

　長年連れ添った夫婦が、別々の道を決意する熟年離婚。その危機に直面している夫婦を描いた映画『31年目の夫婦げんか』は、笑いあり、涙ありで、さらにカップルの関係を修復するヒントが盛りだくさん。

　結婚31年目となる夫婦のケイ（メリル・ストリープ）とアーノルド（トミー・リー・ジョーンズ）。ケイはアーノルドのために毎朝同じ朝食を作り、夜にはゴルフ番組を見ながらうたた寝をしているアーノルドを起こして、別々の部屋のベッドに入る。そんな代わり映えがなく、楽しいことも起こらない日々を変えたいと思ったケイは、ある日、本屋で見つけたフェルド医師の著書をきっかけに、1週間の短期滞在型カップルカウンセリングを受けることに。フェルド医師のカウンセリングに、渋々連れてこられたアーノルドは文句ばかり。しかしカウンセリングを重ねるごとにアーノルドは重い口をひらき、本心を打ち明け始めます。

　頑固なアーノルドを見ていると、二人の関係はケイがどう頑張っても修復不可能なのでは......？と誰もが思ってしまいますが、フェルド医師の直球すぎる質問や毎回出される課題にタジタジになりながらも、次第にアーノルドは折れていく。日本では、本作で描かれるようなカップルカウンセリングがアメリカほど浸透しておらず、「なんだか怪しい」と感じてしまう人も少なくないでしょう。しかし本作は、カップルの危機を乗り越えるためにはプロにSOSを出すことも一つの手なのだと教えてくれます。最後までわからないケイとアーノルドの関係にハラハラドキドキさせられながら、ぜひ本作を楽しんでみてください。

（文／トキエス）