"自分が存在しない家庭"を毎日監視する『シークレット・ルーム』
- 『シークレット・ルーム [DVD]』
- ブライアン・クランストン,ジェニファー・ガーナー,ビクトリア・ブルーノ,デレック・アルバラード,ロビン・スウィコード
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「ブレイキング・バッド」などで知られる名俳優のブライアン・クランストンが主演を務めた映画『シークレット・ルーム』。ある弁護士の男が興味本位で失踪を装い、自分が存在しない家庭を毎日監視するというストーリーで、なんだか心にずしっとくるヘビーな内容でした。
弁護士のハワードは、帰宅が遅くなってしまった夜、ガレージにある倉庫の扉が開いていることに気づきます。気になった彼は中へ入り、そのまま倉庫の屋根裏部屋で寝てしまいます。翌朝、窓越しに自宅を覗くと、不安げな妻ダイアナの姿が......。そこからハワードは興味本位で、自分の失踪を装うことを思いつきます。屋根裏部屋に居座り、自分がいない家庭を毎日覗き見する生活がスタート。クレジットカードを使うと、失踪を装ったことがすぐにバレてしまうため、ホームレスのような生活も始めます。しかし、ハワードは自分の家庭を客観視することによって、「自分の存在は本当に必要なのか」と自問自答をはじめます。
代わり映えのしない毎日を送っていると、自分の周りの人、特に家族との関係性を改めて見直す機会なんてあまりありません。しかし、ハワードはその機会を自ら作り上げるのです。失踪前は、妻との関係に少しでも刺激を加えるため、嫉妬したり、束縛を激しくしたりしますが、上手くいかず関係は悪化していくばかりでした。そんな彼が、ホームレス生活を続けながら家庭を監視し続け、最後に見つけたものとは......?このラストは、かなり賛否両論ですが、ぜひあなただけの答えを見つけ出してみてください。
(文/トキエス)