ドロボーに脱出。とっても忙しい『ニューヨーク恋泥棒』
- 『ニューヨーク恋泥棒 [DVD]』
- デヴィッド・ボウイ,ロザンナ・アークエット,マーリー・マトリン,エスター・バリント,リチャード・シェパード,デヴィッド・ボウイ
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プリンセス天功の師匠は初代引田天功だが、その初代引田天功が尊敬する人がフーディーニである。フーディーニは19世紀後半から20世紀前半を生きたハンガリー系アメリカ人男性で、どこからでも脱出できる「天才奇術師」として知られた。なにせ手首と足首に手錠をかけられて監獄に閉じ込められても、ヒョイっと抜け出してしまう。
映画『ニューヨーク恋泥棒』(1991年)に出てくる主人公、ルーシー(ロザンナ・アークエット)は、次世代フーディーニを目指す20代女子。ところがフーディーニのように手首と足首に手錠はかけられても、抜け出すどころかちゃっかりがんじがらめにされている。しまいには「手錠を外して」と人頼み。そんな彼女、脱出の練習はそっちのけでフーディーニの妻、ベスがいっとき持っていた物を集めていたりもする。ある日、彼女はベスの結婚指輪を手に入れるべく、勤務先のレストランを強盗すると決意。本来はひとりで遂行するはずが、モメながらも彼女と同じレストランで働くお色気ムンムンのイギリス人男性、モンティ(デヴィッド・ボウイ)と手を組むことに。しまいには、強盗に引きずり込まれたルーシーの友達、ヴィヴィアン(エスター・バリント)が銃を持って店内に乱入...!?と、しっちゃかめっちゃかな内容だけど、意外とキラクに見れちゃうところがミソ。「こんなことあるぅ!?」と突っ込みたくなるほど何でもうまくいくので、何にもうまくいかない日のお供にしたい。
(文/鈴木未来)