もやもやレビュー

不死身にちょっぴり憧れを抱く『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ [Blu-ray]
『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ [Blu-ray]』
トム・ヒドルストン,ティルダ・スウィントン,ジョン・ハート,ミア・ワシコウスカ,ジム・ジャームッシュ
東宝
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HMV&BOOKS

「不」に「死」と続くせいか、「不死身」という漢字を見ると、あまり楽しそうな印象を受けない。でもたとえば1000年前を生きたうえで今を体験できたら...と想像を巡らすと、少し興味をそそられる。

不死身にちょっとした憧れを抱いたのは、ジム・ジャームッシュ監督の「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」(2013年)を見たからかもしれない。ここではひっそりと生きる吸血鬼カップル、アダム(トム・ヒドルストン)とイヴ(ティルダ・スウィントン)の終わりなき人生を一部、覗き見できる。現代に暮らす彼らは500歳(アダム)と3000歳(イヴ)。血さえあれば、いつまでも生きられる。

私たちが歴史と呼ぶ時代を生きてきただけあり、音楽家のアダムがシューベルトに楽曲提供したことが思い出話として出てきたり、イヴの友達、マーロウ(ジョン・ハート)が「ハムレット」の実の作者だとほのめかしたり、会話に出てくる経験のスケールが、やたらと大きい。ちなみに話や絵として出てくるものは、全てジャームッシュ監督がオマージュとして入れているとか。その全てを必死に拾わずに、自分が3000年も生きていたら...と想像しながら見るのも一つの楽しみ方だと思う。

(文/鈴木未来)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND 映画部!

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム