"親切心"が恐怖を招く『キリング・ビューティー あどけない殺人者』

　あどけない可愛さを持つ若い女性。そんな女性が困っていたら、思わず助けたくなりますよね。映画『キリング・ビューティー あどけない殺人者』は、その「助けてあげたい」という"親切心"が原因でどんどん事件に巻き込まれていく様を描いたスリラー作品。正直、低予算丸出しの場面も見られますが、その一方でストーリーにのめり込める一本でした。

　主人公はロサンゼルスで美容サロンを経営するアヤ。出勤時に大荷物を持った若い女性とぶつかるのですが、その後、その女性がサロンの前に何時間も座っていることが気にかかり、声をかけます。女性はタリンと名乗り、遠距離恋愛の彼氏を驚かすため、仕事もやめてニューヨークからやって来たと言います。彼と連絡が取れないタリンを気の毒に思ったアヤは食事に誘い、うちにまで招き入れます。

　食事をしている間、とある共通点を見つけたアヤ。そこから、タリンを助けてあげたいという思いに駆られ、親切にしていきますが、その一方で、タリンの狂気的な本性が徐々に明らかになっていきます。タイトルにもあるとおり、本作には殺人のシーンも含まれるのですが、低予算感が否めない......。ハリウッドの話題作などを見慣れている人にとっては、一定のカメラワークに少し疲れてしまうかも。しかし、ぜひ最後の最後まで見ていただきたい！可愛らしい女性が悪魔化していく様子は鳥肌ものです。ちなみに女性なら、主人公アヤのファッションに見惚れてしまうかも。カラフルな服を大人らしく着こなすそのコーデにも注目です。

（文／トキエス）