癒しが必要なあなたに。『ベイマックス』

　2014年に公開されたアクション・ファンタジー映画『ベイマックス』。本作といえば、ベイマックスのぷにぷにで白い"癒しキャラ"という印象がとっても強く、ヒーロー映画のようなストーリー展開に驚いた人も少なくありませんよね。実は、アイアンマンやキャプテン・アメリカなどで知られるマーベル・コミック「ビッグ・ヒーロー・シックス」が本作の原作なのです。そのため、本作の主人公ヒロは、ディズニー映画としては初のマーベル・コミックの登場人物だったということをご存知でしたか？　癒しキャラがいるヒーロー映画の本作に多くの人が心を奪われ、本作は第87回アカデミー賞にて長編アニメ映画賞を受賞したことでも話題になりました。

　舞台は未来都市サンフランソウキョウ。14歳のヒロ・ハマダは天才少年ながら、夢もなく違法なロボット・ファイトに夢中になっていました。そんなヒロを心配した兄のタダシは、自分の工科大学へと彼を案内します。タダシのユニークな友人たちが手がける発明品や、タダシが人を助けるために開発したケアロボットのベイマックスに刺激を受けたヒロは、同じ工科大学を目指すことに。ヒロは大学入学がかかった発表会にて、大成功をおさめますが、その会場が火事となってしまい、タダシが帰らぬ人となってしまいます。心を打ち砕かれてしまったヒロは部屋に篭りますが、そこでヒロの「痛い」という声にケアロボットのベイマックスが反応。ヒロは戸惑いながらも、ベイマックスと交流していきます。また、火事で燃えてしまったはずの自分の発表したロボットが誰かに複製されていることに気づいたヒロは、タダシの仇を打つために犯人探しをスタートさせます。

　物語は、マーベルらしい展開で、男の子の心を鷲掴みにしそうなスリリングなものばかり。しかし、その中でのベイマックスのあの白いふわふわな存在が、この映画をみている人をも癒してくれるのです。ベイマックスのちょっとした仕草でも、かわいいな〜って思ってしまうのは、あの優しすぎるフォルムと、そしてタダシの優しさが詰まったロボットだからだと思います。ちなみに、IMDbが掲載しているトリビアによると、ベイマックスの動きやポージングは、オムツがとれたばかりの赤ちゃんの動きを参考に作られたそうです。思わずほっこりしてしまうベイマックスに、あなたもきっと癒されるはず。

（文／トキエス）