アカデミー賞ノミネート！ ピクサーが描く兄弟の絆『２分の１の魔法』

　マーベル俳優のトム・ホランドとクリス・プラットが声優を担当したことで話題のピクサー長編映画『２分の１の魔法』。3月15日、新たにアカデミー賞ノミネーションが発表され、長編アニメーション部門にノミネートされました。これは、アカデミー賞発表前に、見るしかない！と欲望を駆り立てられ、早速鑑賞。「やっぱりピクサーは泣かせてくれるな！」と改めて"ピクサー・パワー"を目の当たりにした一本でした。

　物語の舞台は、かつては魔法が普通に使われていたものの、科学技術の進歩から魔法が忘れ去られてしまった世界。ガス、電気、スマホ。私たちとなんら変わらないモノが溢れる日常で、エルフのイアンは16歳の誕生日を迎えます。思春期の彼には切なる思いがありました。それは「生まれてくる前に亡くなってしまった父に会いたい」というもの。そんなイアンが家へ帰ると、母に「16歳になったら渡してと言われたの」と、父からの思いがけないプレゼントを手にします。それは、魔法の杖と死者を蘇らせる呪文でした。魔法オタクの兄バリーが早速呪文を使ってみるものの、なかなか上手くいきません。諦めたそのとき、イアンがふと呪文を唱えると、父の下半身のみが蘇ります。「弟には魔法使いの才能がある！」と大興奮のバリーはイアンを説得し、ふたりは父を完璧に蘇らせるための冒険に出かけます。

　父を蘇らせたい。その強い意志で、冒険を繰り広げていくイアンとバリー兄弟。しかし、怖いもの知らずのバリーと、自信ゼロのイアンの全く正反対なふたりの冒険は、もちろんトラブル続き。とある魔法がきっかけで、兄弟の仲にも亀裂が入ってしまう事態に。果たして、兄弟は、無事父と会うことができるのでしょうか...！ 「涙は100%流れます」と行っても過言ではない素晴らしい一本。ファンタジー苦手な私でも作品にどっぷりとのめり込めましたので、ぜひ全世代の方に見てもらいたいです。ちなみに今年のアカデミー賞授賞式は新型コロナウイルスの影響で延期され、日本時間4月26日に開催予定。発表の前にぜひ本作をチェックしてみてください。

（文／トキエス）