もやもやレビュー

17歳のスカーレット・ヨハンソンが演じる名画の裏側『真珠の耳飾りの少女』

真珠の耳飾りの少女 [Blu-ray]
『真珠の耳飾りの少女 [Blu-ray]』
スカーレット・ヨハンソン,コリン・ファース,トム・ウィルキンソン,キリアン・マーフィ,エシー・デイビス,ピーター・ウェーバー
ギャガ
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HMV&BOOKS

誰もが知っている名画であろう、フェルメール「青いターバンの少女」=真珠の耳飾りの少女から空想された原作小説を映画化した作品である。

舞台は17世紀のオランダ。少女グリート(スカーレット・ヨハンソン)は、父の失業により、住み込みの下女となって家計を助けることになる。奉公先は画家ヨハネス・フェルメール(コリン・ファース)の家。そこには嫉妬深い妻カタリーナと、カタリーナの母、多くの子ども達が暮らしていた。朝から晩まで休むまもなく、炊事洗濯や掃除に明け暮れるグリート......。

一方で、グリートに備わっている美的感覚にフェルメールは気付く。遠近法や絵の具の調合を教え、助手を頼むようになる。グリートは天才画家に対しリスペクトを、対してフェルメールは彼女にミューズとしてのインスピレーションを感じる。二人にしかわからない関係を築き始め、周りとの関係は少しずつ歪になっていく。

これは画家とモデルの間に成立した、ピュアでロマンティックな恋。それとも、少女の純情をもてあそび、それを絵にしたためようとする画家のエゴなのか。この少女の運命を見て、あなたはどう思うだろうか。主演のスカーレット・ヨハンソンは、当時弱冠17歳。フレッシュな魅力で溢れている。

(文/峰典子)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム