もやもやレビュー

死後の美しい世界を若きシアーシャ・ローナンが演じる 『ラブリー・ボーン』

ラブリーボーン [Blu-ray]
『ラブリーボーン [Blu-ray]』
マーク・ウォールバーグ,レイチェル・ワイズ,スーザン・サランドン,スタンリー・トゥッチ,ピーター・ジャクソン,アリス・シーボルト,スティーブン・スピルバーグ,テッサ・ロス,ケン・カミンズ,ジェームズ・ウィルソン,マーク・ウォールバーグ
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透き通ったような肌と、ライトブルーの瞳が強く印象に残る。シアーシャ・ローナンは26歳にして、賞レースに愛される俳優である。
若干13歳のときに『つぐない』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされて注目を集めてからというもの、2015年には『ブルックリン』で、英国インディペンデント映画賞主演女優賞を受賞。ブロードウェイにも挑戦しつつ『レディ・バード』でゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞した。『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』ではキャリア4度目のアカデミー賞ノミネート。名実ともにアイルランドを代表する俳優である。

兎にも角にも、そんな能書きを無視して、わたしは彼女が好き。クールで意思があり、ユーモアにも事欠かないところが。もちろんその演技やルックスも。数年前、『レディ・バード』を劇場で観たときに、その瞳を見て、あ、『ラブリー・ボーン』の子だ。と気付いた。彼女は比較的インディペンデント寄りの作品に出ることが多いのだが、それは自身の判断によるもので、演じるキャラクター選びには余念がない。また、撮影期間が長期に及ぶ大作を、他の作品に出会うチャンスを失うかもしれないという理由で断っている。噂によると、『ホビット』や『スターウォーズ』だとか。

『ラブリー・ボーン』は、主役を演じるシアーシャと家族の物語を、サスペンスやファンタジーを絡めながら描くドラマ。殺されてしまった少女が、現実と天国の間の世界で、自分の死を理解しながら家族を見守っていく。身体はなくなるがラブリーボーン(美しい骨)は残る。死後の世界を意外な視点から描いた、ちょっぴり奇妙な物語。そして、いつまでも心に残る名作。

(文/峰典子)

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