いじめられっ子と意地悪じいさんの感動的な絆『ヴィンセントが教えてくれたこと』
- 『ヴィンセントが教えてくれたこと(字幕版)』
- ビル・マーレイ,ジェイデン・リーバハー,メリッサ・マッカーシー,ナオミ・ワッツ,クリス・オダウド,テレンス・ハワード,セオドア・メルフィ,セオドア・メルフィ,ピーター・チャーニン
- >> Amazon.co.jp
ビル・マーレイ主演作の『ヴィンセントが教えてくれたこと』。ビル・マーレイ演じるヴィンセントが、隣に越してきたひ弱な少年オリヴァーと親しくなっていく一風変わった友情を描く一本です。おじいちゃんと孫ほど年が離れ、性格的にも共通点が全くない二人がどのように仲良くなるの? 不可能じゃない? と思われるふたりの仲がどんどん深まっていく様に涙が止まりませんでした。
ひとり暮らしで酒とギャンブルが好きなおじいさん、ヴィンセント。彼の隣にシングルマザーと12歳の息子オリバーが引っ越してきます。オリバーの学校初日、彼はいじめられ、制服やスマホ、自宅の鍵を同級生から取り上げられてしまいます。体操着でうちへ帰るも、家に入れず。そんな中、ヴィンセントが帰宅。ヴィンセントは嫌々ながらもオリバーの面倒を見ることになります。金欠の彼は、子守のバイトとしてオリバーの面倒を見ることを母親に提案。感じの悪いじいさんといじめられっ子少年の奇妙な交流が始まります。
意地の悪いじいさんだなあ。そんな印象が強すぎるヴィンセント。一見、誰も近寄りたがらない性格のおじいさんですが、ストーリーが進むにつれヴィンセントの過去や、妻との関係が明らかに。一方で、ひ弱なオリバーがヴィンセントとの交流をきっかけに、ちょっぴり強くたくましくなっていくのも見どころ。本作の原題は「St. Vincent(聖人ヴィンセント)」なのですが、なぜそのようなタイトルがついているのかも終盤にやっと理解できてきます。鑑賞の際は、ハンカチを忘れずに。
(文/トキエス)