グロテスクなシーンでさえ華麗『キングスマン』

　アクションスパイの作品はこれまでも数多く作られてきましたが、どんな過激なバトルでも華麗にこなすスパイ映画をご存知ですか？ 最近では『ロケットマン』でエルトン・ジョン役を演じ、歌唱力にも定評のある人気俳優タロン・エガートンが新米スパイを、そして『英国王のスピーチ』で英国アカデミー賞主演男優賞を受賞したコリン・ファースがベテランスパイを演じる『キングスマン』。絶対に見て損はしない！と言い切れる一本です。

　ロンドンにある高級テーラー「キングスマン」。しかし実はテーラーは表の姿で、その実はどこの国にも属さないシークレットサービス「キングスマン」の拠点でした。ベテランスパイのハリー（コリン・ファース）は、一度任務の失敗で仲間のリーを亡くしてしまいます。そのリーの息子であるエグジー（タロン・エガートン）は不良少年へと成長していたのですが、あることをきっかけに、ハリーはエグジーと再会。そしてハリーは、キングスマンのエージェントになるための試験を受けるようエグジーを推薦します。

　不良だったエグジーが、ハリーのサポートのもと、世界で最も厳しい試験に挑んでいくのですが、ストーリーが進むにつれ、エグジーがどんどん紳士になっていくのがポイント。強さだけでなく、美しい振る舞いも身につけていくのです。彼が立ち向かうのは、IT界の大富豪で世界的のテロを目論むリッチモンド（サミュエル・L・ジャクソン）。彼の舌足らずな喋り方が、独特なキャラをさらに印象強くさせます。かなりグロテスクなシーンもありますが、目を背けたくなるシーンでさえまるでアートのように華麗。終始スリルが止まらない、ザ・エンターテイメント作品です。

（文／トキエス）