親世代を震撼させた"女の恐怖"『危険な情事』
- 『危険な情事 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]』
- マイケル・ダグラス,グレン・クローズ,アン・アーチャー,スチュアート・パンキン,エレン・ハミルトン・ラッツェン,エレン・フォーリー,フレッド・グウィン,メグ・マンディ,エイドリアン・ライン
- パラマウント
- >> Amazon.co.jp
- >> HMV&BOOKS
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、おうち時間が増え、親戚や家族と映画の話をする機会が増えたというのは、私だけではないでしょう。私はこのあまりない機会に「今まで観た中で怖かった映画は?」と誰彼構わず親戚中に質問したのですが、50代後半から60代前半の親世代はみんな『危険な情事』と口を揃えて言ってきたのです。調べてみると、本作はホラー映画ではなく、サスペンス・スリラーもの。親曰く「怖すぎで流行った」という本作、鳥肌が止まりませんでした。
主人公はニューヨークの弁護士、ダン(マイケル・ダグラス)。彼は、あるパーティーで編集者のアレックス(グレン・クローズ)と出会います。その後、妻と子どもが実家に帰ったタイミングで、アレックスと再会し大人の関係に。ダンにとっては"一夜限り"の関係でしたが、アレックスは本気でダンに惚れてしまいます。その行き違いが、だんだんアレックスを狂わせていき......。
本作の何が怖いって、女性なら誰しもアレックスの言い分を少なからず理解できてしまうところ。彼女は「都合が悪くなったらすぐ捨てるのか」とダンを責めるのですが、その言い分は理解できるものの、彼女の行動は度がいきすぎてもはやホラー。「ダン、やっちゃったなあ」という視点で見ても、ダンがかわいそうに思えてくるほどアレックスは強烈なストーカーへと化していきます。見どころは最後のシーン。ネタバレしたくないのですが、ホラー映画並みに怖いシーンがありますので、ぜひ。浮気はよくない......ただただそう思わせてくれる『ゴーン・ガール』的一本でした。ぜひ彼氏と一緒に観てください。
(文/トキエス)