他人の書いた原稿で売れっ子になってしまった小説家の行く末『ザ・ワーズ 盗まれた人生』

　『ハングオーバー！』シリーズなどで知られるブラッドリー・クーパー主演のドラマ『ザ・ワーズ 盗まれた人生』。スランプに陥った作家が、偶然見つけた傑作小説を自分の名前で出版してしまうストーリーで、愛する家族と自分のキャリアとの葛藤を描いた一本です。

　作家として活動しているロリー（ブラッドリー・クーパー）。なかなか小説家として目が出ずにいましたが、妻のドラはロリーの才能を信じて献身的にサポートします。二人が新婚旅行でフランスを訪れた日、ドラは骨董品店で古いアタッシュケースを発見。「作家らしい」ということで、ドラはロリーにプレゼントします。数日後、ロリーは偶然アタッシュケースに入った古い原稿を見つけるのですが、そのストーリーに夢中（というか中毒）になり、出来心で出版してしまうのです。あっという間に富と名声を手に入れたロリー。しかし、ロリーのもとに、原稿を書いたという老年の男性が現れます。

　現れた男性は、お金を揺するわけでもなく、脅迫するわけでもありません。ただただ、この小説に欠かせない"真実"を、ロリーに話していくのです。自身の体験をもとに書いた小説がなぜこんなにも素晴らしいのか、その話を聞くと共にロリーは徐々に自身のしたことへの後悔の念を膨らませていきます。ほどよくシンプルで、最後はなんだかゾッとしてしまう一本。果たして富と名声を手に入れたロリーは、どのような決断をするのでしょうか？ そこも期待しながら鑑賞してください。

（文／トキエス）