もやもやレビュー

もしも恐竜島に漂流しちゃったら−『ダイノトピア』

ダイノトピア DVD-BOX
『ダイノトピア DVD-BOX』
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絵本『ダイノトピア 恐竜国漂流紀』をご存知だろうか。船旅の途中で漂流した父と息子が、恐竜と人間が共存する孤島・ダイノトピアに行き着く。そこで出会ったものは...。絵本といっても、大人がじっくりと読めるほどの情報量、写実的で美しいイラスト、ありえない設定なのに何故か信じてしまいそうになるリアリティ。かつて250万部を売り上げた大ベストセラーなのである。

人間が登場するスリルあふれる恐竜・冒険ファンタジー、という訳で、映画化はなかなか難しそうなものなのだが、気合いの100億円を投じ、3部作が製作されている。何故しかし、いまいち話題にはつながらなかったように思う。主演は、プリズン・ブレイクが始まったばかりのウェントワース・ミラー。設定は父子から男兄弟にチェンジされていて、試練や困難を乗り越えながら成長していく、やや汗臭い内容にシフトチェンジされている。

しかし恐竜との<丁寧な暮らし>は、なかなか面白い。人間のように働く恐竜や喋る恐竜が、自然に街中に存在する姿は、冒険モノが好きな子供たちにはたまらない設定で、絵本をベースにしているため分かりやすい展開なのもいい。トトロの猫バスならぬ、恐竜バスが出てきたり、足跡を組み合わせた恐竜文字なんかは見ていてワクワクする。映画はもちろんだが、気になる人はまず原作を。手に入りにくいので、古本屋で見かけたら是非手に取ってみることをお勧めする。

(文/峰典子)

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