超有名バンクシーの初監督作品『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』、これまた皮肉たっぷりだった
- 『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(字幕版)』
- ティエリー・グエッタ,スペース・インベーダー,バンクシー,バンクシー
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覆面芸術家として知られるストリートアートのアーティスト、バンクシー。彼は、風刺画で超有名ですが、映画監督としても活動しているってご存知でしたか? 彼が初めて監督を務めた『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』も、彼の風刺画と同じく、これまた皮肉たっぷりで、"世の中の動き"というものをすごく考えさせられました。まず驚いたのは、本作でバンクシーが主人公に選んだのが、なんと自分自身ではなく、自分のことを撮影していた一般人の自称映像作家なのです。
フランス人のティエリー・グエッタは、カメラが大好き。自分の生活も全て記録にのこしていた彼は、ある日、親戚でストリートアートに没頭しているアーティストの活動を撮影することに。それがキッカケで、アーティストたちに密着してカメラを回し始めたティエリーは、バンクシーの密着撮影を願うようになります。その後、ある奇跡が起き、バンクシーと接近できたティエリー。しかし、ティエリーと行動をともにしたバンクシーは、彼に映像作家としてのセンスがまったくないことに気づき、自分が監督することを決意します。さらにアーティストとして活動することをティエリーに勧め......。
ティエリーはとにかく撮影することが大好きですが、撮影した素材はほったらかしにするというクセをもっています。そのため「映像作家」には程遠い。でも彼はなんとか作品を作ってバンクシーに見せるのですが、その映像にバンクシーは絶句。さらにティエリーは自身もバンクシーのように活動しようと決意し、莫大な費用をかけ個展を開催するのですが、彼の行く末に、誰もが「アートってなんだろう?」と考えさせられます。本当に不思議な一本。さらに、ストリートアートは「違法」であるにもかかわらず、バンクシーが個展を開くとセレブたちが集まり注目を浴びる。そんな"世の中の不思議な動き"のようなものも実感させられました。
ちなみに本作には、バンクシー以外にも「OBEY」のアートで知られるシェパード・フェアリーも出演しています!もちろん、これまで身元を明かさなかったバンクシーも登場してインタビューに応えているので、ファンにはたまらないはず(もちろん、顔は見えませんが......)。
(文/トキエス)