もやもやレビュー

来るもの拒まずの精神が学べる『ラスベガスをやっつけろ』

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ここ最近で、大胆にはめを外したのはいつですか。あるいは直感を信じて思い切ったときでもいいとしましょう。割と最近なのか、想像以上に昔なのか。それどころか「これをしたらあとあとこうなるし」「これは前にうまくいかなかったし」なんて考えに押しつぶされ、結局何もしなかった!もしくは、安全策を選んでいた!なんて日々が日常になっていませんか。でもそれではいけない、今を十二分に味わいたい!もっというと、ルールなんて忘れて好き勝手やりたい!とちょっとばかり大胆に生きたいときに効く映画に出会ってしまいました。今は亡き唯一無二のジャーナリスト兼作家、ハンター・S・トンプソンの著書を映画化した「ラスベガスをやっつけろ」(1998)です。

ここでは、ジャーナリストのラウル・デューク(ジョニー・デップ)が記事をつくりに、弁護士で友人のドクター・ゴンゾー(ベニチオ・デル・トロ)と真っ赤なオープンカーで二度、ラスベガスへ出掛けます。ところがドラッグのおかげでいずれも出発の時点から現実と幻想はもみくちゃ。宿泊先の部屋はどんちゃん騒ぎのせいでボロボロ。与えられた仕事はほぼ手付かずで「何しにきたんだこの人たち?」という具合で映画は進みます。一見「ただの馬鹿騒ぎではないか」と思うかもしれませんが、ハンターの著書から抜粋されたラウルのナレーションを聞いていると、彼らは彼らなりの目的があったことに気づくのも見どころです。

それにしても考える間もなく直感に身を任せ、最高の結末を迎えられたときは気持ちのいいものです。たとえばゴンゾーが飛行機に乗り遅れないようにと、ラウルが道なりを無視し滑走路を目掛けて車を走らせるシーンがあります。最終的に柵を突き破り見事飛行機のすぐ横に駐車するのですが、これがなんとも爽快です。(何この遠回り!の打開策として採用したいくらいです)見ていて心配にもなる二人ですが、そのときそのときの流れに乗っかり「来るもの拒まず」を日常とする彼らの姿勢は、大胆に生きるヒントとして(モラル違反にならない程度に)人生に落とし込みたいところです。

(文/鈴木未来)

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