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ありのままの自分を受け入れるまで『ペネロピ』

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動植物・生物・人類学者だった故ライアル・ワトソンは『思考する豚』という著書を残している。彼曰く「豚と人間は、どちらも昔から社交的で、遊び好きで、音楽好きで、思いやりがある存在」なのだという。それに、豚は無類の綺麗好き。しかし「ブタに真珠」とか「ブタもおだてりゃ木に登る」というように、それをバカにした言い回しが多いのは、一体どうしてなのだろう。

『ペネロピ』の主人公、その名もペネロピ(クリスティーナ・リッチ)は、名家の娘だったが魔女に呪いをかけられ、豚の鼻と耳を持って生まれてしまった。最強にチャーミングなのだが、それを隠したい母の言いつけで、屋敷の中でひっそりと生きてきた。荒れても仕方のない暮らしぶりだが、ひねくれることもなく、とっても素直でいい子。いつか、永遠の愛を誓いあい、呪いを解いてくれる男性が現れると想い続けていた。そんな中、名家出身の青年マックス(ジェームズ・マカヴォイ)に恋をするのだが、彼にも彼で問題があるようで...。

ペネロピが「ありのままの自分を受け入れる」までが描かれるのだが、それを支える脇役が素晴らしい。パブで出会い友人となるのが、アニー(リース・ウィザースプーン)。そして、スクープのためにペネロピをつけまわす記者役に、「ゲーム・オブ・スローンズ」のティリオンでおなじみのピーター・ディンクレイジが登場。彼はまさしく、逆境から立ち上がった人生を実生活でも体現している人間なのだが、これがまた思いもよらぬ優しさを見せる。時代を問わぬテーマを扱った、もっと愛されるべき作品である。

(文/峰典子)

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