もやもやレビュー

下らない小ボケ連投で強制的に笑わせる『シャークトパスvs狼鯨』

シャークトパス VS 狼鯨 [DVD]
『シャークトパス VS 狼鯨 [DVD]』
インターフィルム
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 ブームなのか、社会への嫌がらせのように量産されるサメ映画。基本的に売上爆死しても納得の酷さなので続編という形式をとることはあまりないのだが、本作は以前紹介した『シャークトパス』の続編である。
 他のサメ映画の続編だと正面から視聴すると嫌がらせのようにつまらないものがあふれる中、本作は酷いには違いないが破綻具合が面白く娯楽として成立している。無論、あらすじなんてほどの内容は存在しないが、小ネタを連続で挿入してくるため序盤は我慢できても途中でクスリと笑ってしまい、その後は冷静になるとつまらないネタでも笑ってしまう。

 上記にも書いた通り、あらすじらしいあらすじなんてものはない。大体、サメとタコが合体した化け物が訳の分からない生き物と戦う話にそんな上等なものを期待してはいけない。とは言え、何も説明せずに本作の話をしてもいよいよ訳が分からないだろうから、パッケージ裏より引用する。

 アメリカ軍が産み出してしまったタコとサメの合体生物兵器"シャークトパス"。
 この史上最凶のハイブリッド・モンスターは、更なる驚きの進化を遂げ、ついに海を飛び出し陸でも暴れまくり、人間界に牙を向け始めていた。
 ある日、マッドサイエンティストが、最大の海洋哺乳類のクジラ科の中でも、自然界での天敵は存在しないと言われている最強シャチと、最恐の哺乳類オオカミの遺伝子を人間に組み込み、信じられない合体生物兵器を産み出すことに成功、"狼鯨=ホエールウルフ"が誕生する!
 そしてついに、シャークトパス撃退に向けて、最凶合体モンスターが世に放たれた!!

 ――何を言っているのか理解できないと思う。そもそもシャチの遺伝子を組み込んでどうしてクジラになるのかという疑問が浮かぶ。だが、本作は基本的にこうした小ボケが延々と続き、無駄な密度を作り出す。他にはシャークトパスがSNSで主人公をフォローしていたり、狼鯨を作ったマッドサイエンティストが手に負えなくなった狼鯨を里子に出そうとしたり。一つひとつはくだらないネタなのに勢いよく畳み込まれると笑ってしまい、それがコミカルな雰囲気を醸し出して更に笑えるという、好循環なのか悪循環なのか分からない混沌に視聴者を引きずり込む。どう考えても計算されたものではないので、おそらく本作の面白さは偶然によるところが大きいだろう。

 あと、本作のキャストは無駄に豪華だ。『スターシップ・トゥルーパーズ』のキャスパー・ヴァン・ディーンにロック歌手のイギー・ポップと、チープなCGに似つかわしくない出演陣。そうした豪華さと安っぽさが絶妙に組み合わさった良作だ。

(文/畑中雄也)

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