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それでもやっぱり繋がりたい? SNSミステリー『THEサークル』

ザ・サークル [Blu-ray]
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「携帯電話」「薄型テレビ」「ロボット掃除機」が、現代版の三種の神器なんて言われている。私たちはインターネットが生まれ育つ様子を垣間見、SNSやスマートフォンの進化とともに人生を送ってきたが、今育つ子供は生まれた時から、SNSが当たり前に存在する世代。一体どんな大人に育ってしまうのだろうかと、一抹の不安が頭をよぎることはないだろうか。そんなネット社会への警鐘と危険性を扱った作品が『ザ・サークル』だ。

憧れの超巨大なSNS企業サークル社に採用されたメイ(エマ・ワトソン)。入社早々に、カリスマ経営者であるベイリー(トム・ハンクス)の目に留まり、新サービスの実験モデルに抜擢される。それは、至るところに設置されたカメラで自らの24時間を全て公開するという眉唾もの。瞬時に一千万人を超えるフォロワーを獲得し、メイは有名人に。しかそこには思わぬ悲劇も待ち受けていた...。

と、ここまで話をして、多くの方が想像するのが、正義の味方に扮したメイが、SNS社会の悪い側面を暴き、人間臭さの良さを説くという展開ではないだろうか。否、この作品が興味深いのは、事態を悪化させるのが、ヒロインのメイ自身だという点。SNS=悪と言い切るのではなく、そのメリットや必要性も排除しない。しかし、我を忘れて、それを使う人間の未熟さ・愚かさは末恐ろしいと感じさせられる。

(文/峰典子)

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