もやもやレビュー

80年代アイドルの代理戦争『メガ・パイソンvsギガント・ゲイター』

メガ・パイソンvsギガント・ゲイター [DVD]
『メガ・パイソンvsギガント・ゲイター [DVD]』
アルバトロス
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HMV&BOOKS

 CGがチープで脚本は破綻。配給はアルバトロスだし制作はアサイラムだし、最悪が約束されたような作品ではある。

 何分、ワニを保護するパークレンジャーのテリー・オハラ(ティファニー)とヘビを保護する活動家のニッキー・ライリー(デボラ・ギブソン)がそれぞれ保護している生き物を得体の知れない薬剤で巨大化させ、街をパニックのどん底に陥れるという内容だ。もう少し肉付けして説明したいところだが、本当に無内容のため加えるべき物語がない。
 10メートルを超えるワニやヘビは人を丸呑みするどころか走っている電車を飲み込み、空を飛んでいる飛行船を咥えて振り回す。時間が無限にある無職ならビールでも飲みながら笑えるのかも知れないが、職に就いている社会人はこんなものを観る暇があったら寝ていた方が有意義だ。
 ちなみに最後は爆発で幕を閉じるものの、主人公のオハラとライリーは両者が保護していたものに食い殺される。

 酷い作品であることは間違いないものの、80年代のアイドルだった2人が主人公でワニとヘビが両者の対立を皮肉ったものとして観れば、風刺映画として観られなくはない。
 作中の小ネタとして当時、彼女らが歌っていた曲のタイトルをもじったものが使用されている。それを確認するために字幕を英語にして作品とネット検索を同時に行う必要があったけど。検索しながら、ファンでもない人間がそのために80年代の米国アイドル事情を調べる価値があるかどうかは分からない。多分、ないような気がする。
(文/畑中雄也)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム