もやもやレビュー

社会に対する嫌がらせか何か『メガ・シャークvsクロコザウルス』

メガシャークvsクロコザウルス (字幕版)
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 駄作という地雷原であるサメ映画とワニ映画を掛け合わせた本作は、完璧なまでに酷い出来で、社会に対する嫌がらせか何かで制作しているに違いないと思わせるには十分だ。しかし、ネット上では一部ファンが酷さを楽しむという趣旨のコメントがちらほらあり、世の中にはムチで殴られて喜ぶ嗜好の人間がいるのだから多分、苦痛を快感として受容するタイプなのだろう。まぁ、傍目には理解不能なカルト宗教にも信者がいるのだから娯楽作品にファンがいたところで驚かない。

 巨大なサメとワニが海と陸で破壊の限りを尽くし、困った人類は共倒れにさせようとパナマ運河におびき出したものの、パナマ運河が破壊されただけ。最後の手段で人工的に海底火山を噴火させ両者を倒すことに成功する――という内容。この手の作品でお決まりの核兵器もバンバン打ち込んでいるがまるで無傷という荒唐無稽な内容。もっとも巨大なサメとワニが戦うというストーリー自体が無茶苦茶なのだから、それ以外の部分がデタラメでも些末なことである。
 そうした話に「450メートルもある巨大なワニが世界各地で卵を生んでいるのに誰も気付かないなんてことがあるか」等々の疑問を抱いても仕方がない。大体、出現するシーンで大きさが異なっているという雑な仕事を意図的と確信させるレベルで行っているのだから、雑だの何だの言ったところで詮無いことだ。

 何より不思議なのは、本作はサメとタコが戦うという作品の続編であり、続編が出るということは前作がそれなりに利益が出ているということ。酷さも振り切ればファンがつくということだろうか。配給がアルバトロスだし、そういうことなのだろう。

(文/畑中雄也)

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