もやもやレビュー

家族の12年間を目撃する『6才のボクが、大人になるまで。』

6才のボクが、大人になるまで。 [Blu-ray]
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父、母、娘、息子。2002年から12年間にわたり、6才の少年とその家族の物語を、同じキャストとスタッフで撮り続けるという、最高にクールで画期的な作品がこの『6才のボクが、大人になるまで。』だ。

そんなことが可能なのだろうか。否、可能だったのだ。リチャード・リンクレイター監督の素晴らしいアイディアの元、長い時間を共に過ごしたスタッフ、俳優の間には密な関係性が生まれ、他の作品には決して真似することのできないリアリティが生まれている。

12年間という時が生み出した身体変化や心の成長を、画面のこちら側にいる私たちもひしひしと感じることができる。まるでガラクタ屋で見つけてきた、見知らぬ家族のホームビデオを覗き見しているように。メイソンの父親を演じたイーサン・ホークによると「撮影が始まった頃、主人公のエラー・コルトレーンはチャイルドシートに座っていたけど、最後には自分で運転をするようになった」とか。

人生とはそんなに劇的なものではない。けれど、ぶつかったり避けたりしながら、進まなければならない。お酒の味も失恋も覚えたメイソンは、将来の夢をみつけ、母の元から巣立っていく。最高にエモーショナルで、大好きな作品だ。

(文/峰典子)

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