もやもやレビュー

アメリカ伝説の麻薬王は16歳『ホワイト・ボーイ・リック』

ホワイト・ボーイ・リック ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]
『ホワイト・ボーイ・リック ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]』
マシュー・マコノヒー,リッチー・メリット,ブルース・ダーン,ジェニファー・ジェイソン・リー,ブライアン・タイリー・ヘンリー,パイパー・ローリー,ベル・パウリー,エディ・マーサン,ヤン・ドマンジュ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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少し暗く影のある映画に出ることの多い、マシュー・マコノヒー。
昨年アメリカで公開された『ホワイト・ボーイ・リック』は、日本では劇場未公開だったが、この度DVD化されたので是非チェックしたい一本である。

1983年代のデトロイト。荒れた家庭で育った14歳の不良少年リチャードは、街の事情通としてFBIの情報提供者として働くことに。しかし見返りを得られずに憤り、大胆な密売を行い、わずか16歳にして麻薬王とのさばる。現在49歳、今もなお服役中であるリッチー・ウェルシュ・Jrの実話を映画化したものだ。

銃ディーラーである父親を演じるマシュー・マコノヒーの配役は最初から決まっていたが、主役の少年を見つけるのに難航したという。キャストを探すこと2年。偶然、撮影場所に使う予定だったデトロイトに出向いた際、高校の校長室前に立っていたリッチー・メリットに白羽の矢が立った。演技は未経験だが、瑞々しく、まっすぐ凛とした演技が素晴らしい。リッチーはマシューのことを全く知らなかったらしく、それも彼の正直な演技ぶりにいい影響を与えているのかもしれない。当初はオスカー候補作とも噂されていたが、やや盛り上がりに欠けたか、残念ながらノーノミネーション。リッチーもこの作品以降、役者を目指すことはなく、日常に戻っているとか。

(文/峰典子)

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