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川下りシーン満載のネイチャー・サスペンス『激流』

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決して、アウトドア志向の知人ばかりではないのだが、年に二、三回ほど「念願の川下りをしました」という報告をSNSで目にする。ポイントは念願の、というところで、みんなどこかで一度はやってみたいと、川下りに憧れを抱いているようなのだ。バンジージャンプとも違うスリル、パラグライダーでは味わえない水しぶきや岩の凹凸。天然のジェットコースター感覚や滝壺ダイブは、自然との一体感を同時に味わえ、なんとも刺激的で楽しそうだ。

映画「激流」はタイトルの通り、荒れ狂う激流を舞台にしたネイチャー・サスペンス作品。仕事人間の夫に嫌気がさし、離婚を頭にちらつかせる二児の母ゲイル(メリル・ストリープ)は、息子の誕生日祝いにラフティングを楽しもうと計画する。彼女は大自然の中で生まれ育ち、結婚して都会に移住するまで川のガイドとして働いていたのだ。しかし、夢のような時間は一瞬で過ぎ去る。ケヴィン・ベーコン演じる凶悪犯に脅され、共に激流を下ることになってしまうから。

劇中ほとんどのシーンが川下りの場面だが、メリルは90%のシーンで自らボートを操縦したそうだ。迫力が凄まじく、息をつく間もない。撮影前に鍛えただろう二の腕はがっちりしていて、悪党をやっつける肝っ玉母ちゃんという風情である。ケヴィン・ベーコンは少年のような気さくな表情の反面、裏では何を考えているのかわからない屈折した男を魅力的に演じている。大自然と凶悪犯を相手に、家族が一致団結できるのか。CGを駆使したアクション映画に飽きた方にオススメの、豪快で爽快な作品である。

(文/峰典子)

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