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恋の暴走列車が止まらない『フィリップ、君を愛してる!』

フィリップ、きみを愛してる! [DVD]
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愛のために嘘だらけの人生を送ったひとりの男と、その恋模様を描いた話である。「僕を生かしているのは、ひと目彼に、という想いだけ。」劇中でこう語るのは、IQ169という賢さをもつ、元警官のスティーヴン(ジム・キャリー)。事故で命を失いかけたことをきっかけに人生を見つめ直し、ゲイであることを妻にカミングアウト、晴れて自由の身に。しかしボーイフレンドに貢ぐために詐欺師になり、逮捕されてしまう。

刑務所でフィリップ(ユアン・マクレガー)と出会ったことが、運命を大きく狂わせる。二人は恋に落ち、あっというまに揃って出所(というか脱獄)し、あたたかな暮らしを始める。とても幸せそうだ。だがスティーブンは彼に不自由させたくないという想いから、再び詐欺師の道へ足を踏み入れてしまう。しかも稼ぎまくって貢ぎまくり、呆れられる始末。フィリップはただ一緒に過ごせれば満足なのに......。案の定、警察に追われる身になり、フィリップは去ってしまうが、恋の暴走列車は止まらない。命を賭けた嘘が今はじまろうとしていた_。

ユアンの演技がとにかく愛くるしい。走る時のほんのわずかな内股加減や、ふとした眼差しから放たれる色気が、まさしく恋する乙女のそれ。実際に二人がデキているのではと疑ってしまうほど、イチャイチャキュートなシーンに見入ってしまう。ジムのオーバーな演技は詐欺師役にぴったりで、シリアスなシーンを笑いに変えてくれる。さらにすごいのが、このストーリーが実話、というところである。そのリアリティのせいなのか、胸を熱くさせるラブコメに仕上がっている。

(文/峰典子)

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