もやもやレビュー

ピュアな初期衝動に胸ギュンギュン『ブリグズビー・ベア』

ブリグズビー・ベア ブルーレイ & DVDセット [Blu-ray]
『ブリグズビー・ベア ブルーレイ & DVDセット [Blu-ray]』
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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2018年、こんなにもクマに涙し、笑わされることになるとは思わなかった。新春に公開された『パディントン2』しかり、秋に公開された『プーと大人になった僕』しかり。どちらも楽しみにしていた作品だったが、その期待を裏切らず良作で、この先も世界中のみんな、そしてわたしを癒してくれるだろう。

しかし、パディントンとプーの間にもう一匹、イケてるクマがいたことをぜひ取り上げたい。

主役のジェームスは25歳。生後わずかで誘拐され、人里離れ隔離されたシェルターで偽父と偽母と暮らしている。ジェームスは自らの出生の秘密など知る由もなく、教育番組「ブリグズビー・ベアー」に夢中。この番組は、
実は偽父が自主制作(!)している番組で、毎週1本のビデオテープを欠かさずジェームスに渡していたのだった。社会と断絶しながら、四六時中ブリグズビー・ベアを見ていたジェームスだったが、あるとき暮らしに変化が訪れて、はじめて外の世界に飛び出すことに......。

ジャケット写真を見ると、コメディを想像するかもしれない。確かにクスリと笑えるユーモアも満載なのだが、それ以上に、この上なくハートフルで、ジェームスの家族や夢、愛を暖かく優しく描いている。この話、いったいどんな風に着地するの?と心配になるかもしれないが、大丈夫。ブリグズビー・ベアが包んでくれる。何もかも。そしてわたしも辛い時、ブリグズビー・ベアにぎゅっとハグされたい。絶対に泣いちゃう。

(文/峰典子)

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