支離滅裂の科学おバカ映画『ヤング・アインシュタイン』
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まず、監督・主演の名前がヤッホー・シリアスというところから、笑ってしまう(ふざけているのかと思ったら本名)。これってアインシュタインの名を借りた、パロディーなんじゃないのと思っていたが、史実をきちんと踏まえた上で、大幅にコメディー路線に改変しているという芸の細かさ。バカはバカでも天才的なバカだった、監督もアインシュタインも。
描かれているのは、タイトルの通り青年時代のヤングなアインシュタイン。タスマニア島でのんびりと暮らしていた彼(そもそもここから事実と異なる。本当はドイツ出身なはず)は、自家製ビールに泡を立てる方法を考えているうちに、相対性理論の公式を発見。そして、公式...ではなくビール製造の特許をとるためにシドニーへ向かう。その道中で出会い恋に落ちるのが、まさかのマリー・キューリー。
ダーウィン、ライト兄弟、フロイトなど、そうそうたる科学班メンバーが登場。地元を代表し、タスマニアデビルも友情出演。「エレキギター」や「サーフィン」を発明し、あるもので世界を救うことになるなど、ふざけ放題の展開で、心の底からくだらない。どこから本当でどこから嘘かもわからなくなるが、事実を元にしたエピソードも多く、存分に楽しませてくれる。オーストラリア映画だからなのか、下ネタや下品な演出がなく、子どもと一緒にほのぼのと見られるのもいい。
(文/峰典子)