もやもやレビュー

現代の友達の作り方『イングリッド ネットストーカーの女』

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目標を立てるときは、具体的な案を立てるといいとよく耳に挟みます。たとえば最終目標地点に到達するためにはA、B、Cをする、などステップを細分化すると、大きな何かが掴み取れるといった施策。そこで目標に「人気インスタグラマーと友達になる」を当てはめたらどうなるでしょう。

まず、
A. 大好きなインスタグラマーの投稿にコメントをしてみる
B. 返事が来たら「友達になったも同然」と思い込んでみる
C. インスタグラマーが住む土地に引っ越す
D. 憧れのあの子がよく投稿するスポットに顔を出して、登場を待つ
E. 見つけたら、家までついていく
F. ペットがいれば、盗む
G. 「ペット探してます」のチラシが出たら、「私が見つけたの!」と名乗り出てみる
H. もちろんペットは自分から届けに行く。できたらディナーのお誘いを待ち、呼ばれたら喜んで引き受ける
I. 夜までくっちゃべって、友情成立!

ストーカーなんて言わせない。バレなければいいのです、とばかりに『イングリッド ネットストーカーの女』の主役であるイングリッド(オードリー・プラザ)は、まさにこのA〜Iまでのステップを堂々と踏み、インスタグラマーのテイラー(エリザベス・オルセン)と"ともだち"になることに成功します。ところが、いくらとんとん拍子に進んだからといって、その友情が続くかどうかはまた別の話。イングリッドは、ストーカーという本性を隠すためにうそを重ねていくが...。

こう聞くとゾっとしてしまいますが、イングリッドは言ってしまえばとてつもなく不器用で寂しがりやなだけ。友達が欲しいばかりに彼女はストーカー化してしまいますが、何かしら行動に出たイングリッドは勇敢とも捉えられます! だってなんとか孤独な世界から抜け出そうと、行動を起こしたわけですから。

何はともあれ、内気な人にとって友達作りはいつの日も難関です。恥ずかしさ故にSNSに頼るのは良しとしても、ストーカーの道を歩んでしまうのはまったく別の話なので、注意を払いたいところです。

(文/鈴木未来)

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