もやもやレビュー

コンプレックスをすぐさま克服したくなる。『マダム・イン・ニューヨーク』

マダム・イン・ニューヨーク [DVD]
『マダム・イン・ニューヨーク [DVD]』
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 誰にでも一つはある「コンプレックス」。ついつい自分のコンプレックスに背を向けてしまう人、克服方法を考える人、はたまたコンプレックスを気にしないようにする人、たくさんいると思いますが、コンプレックスを克服するとこんなプラスな自分が待っているぜ! と前向きにさせてくれる作品をご紹介します。それはインド映画の『マダム・イン・ニューヨーク』。本作を見ればきっと、自分のコンプレックスをすぐにでも克服したくなるハズ!

 主人公は、西インドの地方都市に暮らしながら二人の子供を育てる専業主婦、シャシ。彼女の料理の腕前は評判で、インドの伝統的なお菓子「ラドゥ」を作りご近所さんに販売する小さなビジネスも順調に進んでいました。しかし、シャシには一つ大きなコンプレックスが......それは英語。娘のPTA面談の際、英語を話すことができずに娘から恥ずかしいと言われてしまいます。夫からも「ラドゥ作りのために生まれてきた」と揶揄され傷心。そんな中、親戚の結婚式が決まり、準備のために一人でニューヨークに旅立つことに! 英語がわからない彼女は電車に乗るにも一苦労。悔しい思いをしたシャシは、みんなに内緒で英会話学校に通うことを決意します。

 おすすめのシーンは、シャシが娘に電話で怒鳴られ、腹をたてるシーン。怒りながらカフェに座り、英語でオーダーをするのですが、それがまあ完璧。「完璧にオーダーできた!」という喜びが一瞬にして腹ただしい出来事を一蹴したのです。そんな素敵なシャシの成長シーン。なぜか自分のことのように喜んでしまいます。そんな素敵なシーン満載の本作からは、自分のコンプレックスを克服する大きな一歩を踏み出せば、辛いこともあるけど楽しいこともたくさんまっている!ということ学べます。

 英語が苦手、とされている日本人が観ると、余計感情移入できる本作。ボリウッド作品らしいミュージカル風なシーンもたくさんあるので、ウキウキハッピー気分で鑑賞した後は、コンプレックスに向き合いたくなることでしょう。背中を押してくれる一本です。

(文/トキエス)

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