"悪をもって悪を制す"映画作品の原点。『羊たちの沈黙』
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- ジョディ・フォスター,アンソニー・ホプキンス,スコット・グレン,テッド・レヴィン,ジョナサン・デミ
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DCコミックの悪党キャラが大活躍した人気作『スーサイド・スクワッド』など、"悪をもって悪を制す"ストーリーは、さまざまなジャンルで人気を博していますが、原点はやっぱり名作『羊たちの沈黙』だと思います。本作の重要キーパーソンであるハンニバル・レクターを演じたアンソニー・ホプキンズの怪演は、トラウマになるほど恐ろしい。
舞台はミズーリ州のカンザスシティ。FBIアカデミーの実習生であるクラリス(ジョディ・フォスター)は、訓練中にある任務を課されます。それは、アメリカ各地で若い女性が殺害され皮膚を剥がされてしまうという猟奇的殺人事件、通称バッファロー・ビル事件の犯人を捕まえるべく、精神病院に収監されている囚人ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンズ)に助言を求めるというもの。レクターは元精神科医で患者を9人も殺害した殺人鬼。クラリスは、レクターにこの事件の犯人の心理を読み解いてもらい、事件解決へのヒントを得ようとします。一方、レクターは、分析するかわりにクラリスの過去を語れと要求します。
レクターは、隣の部屋で収監されていた囚人をなじり自殺に追い込んだり、看護師に噛み付いて重症を負わせたりと、油断も隙もないクレイジーな男。そんな彼が事情聴取の際に、ベッドに縛り付けられ、マスクを着用しているシーンはとても印象的です。しかし、レクターの奇妙な助言のおかげで、クラリスは事件を少しずつ紐解いていき......まさに "不気味" な悪をもって悪を制したストーリーでした。終盤では、いつのまにか奇妙なレクターに、良い意味でも悪い意味でも魅了されていることに、観客は気づくのです。
若い世代には『マイティソー』シリーズのソーの父、オーディンのイメージがあるアンソニー・ホプキンズですが、レクター役は高く評価され、アカデミー主演男優賞を受賞。いまやレクター博士のキャラクターは一人歩きし、他の作品やテレビドラマシリーズなどでレクターの過去などが描かれています。本作で興味を持った方はぜひ、レクター博士を描いた作品たちを一気に鑑賞してみてはいかがでしょう。
(文/トキエス)