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もういくつ寝ると『ニューイヤーズ・イブ』

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見ていない映画を紹介するのも恐縮なのだが『グランド・ホテル』という映画がある。1932年公開のアメリカ映画で、ホテルを舞台に集まった男女の人生を同時進行で描いていく、群像劇の先駆けである。この手法が大ヒットを呼んだので、同時間や同一の場所に集まった複数の人物を描く映画のことを、これ以降、グランド・ホテル方式と呼ぶようになった。

というような能書きは置いておいて、群像劇はいつの時代も愛されるタイプの映画である。『ラブ・アクチュアリー』のような多様な恋愛模様を描いたものから、『オーシャンズ』シリーズや、まさにグランド・ホテルのオマージュと言える『THE 有頂天ホテル』まで、群像劇とひとことに言っても、そのジャンルは多岐にわたる。

この手の映画は、同時に複数のエピソードが進んでいくので、その中でひとつでも推しストーリーが見つかれば一気に面白くなる。そのためには、遊び心のある配役が非常に重要で、欠かせない。『ラブ・アクチュアリー』の場合は、大統領を演じるヒュー・グラントや、小説家役のコリン・ファース、ウォーキング・デッド前の若かりしアンドリュー・リンカーンや、シャーロック前のマーティン・フリーマンの姿が垣間見れる。

大晦日のニューヨークを舞台とした群像劇『ニューイヤーズ・イブ』。点と点、人と人が、次第につながっていく。看護師役のハル・ベリーと、入院患者役のロバート・デ・ニーロの組み合わせがなかなか良かった。『リトル・ミス・サンシャイン』で美少女コンテストへ向かうオリーヴを演じた、アビゲイル・ブレスリンちゃんを覚えているだろうか。すっかり大人になっていて、悩めるティーンエイジャーを好演しているので、これも必見。年末を待たずとも、いつでも楽しめる一本である。

(文/峰典子)

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