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SNSの「リアルな恐怖」にアナタは気づいていますか?『ザ・サークル』

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 「インスタ映えする写真を撮らなきゃ!」「いいね!の数を思わずカウントしちゃう」「着飾って、おしゃれなディナーをアップして、ウソの自分を投稿してしまう......」など、SNSナシでは人生を彩れなくなってきている人が急増している近年。もちろん世界中の情報をどこでもチェックできるSNSはとても便利だし、仕事を簡単に探せる、違う国の友達の近況を見られるなどメリットもあります。しかし、その裏に隠された「SNSのリアルな怖さ」にアナタは気づいていますか? 今回は、SNS大企業で働く一人の女性が24時間自分をシェアするという実験的映画『ザ・サークル』をご紹介します。

 コールセンターの派遣社員として働いていたメイ(エマ・ワトソン)は、元ルームメイトのアニー(カレン・ギラン)に誘われ超巨大SNS企業『サークル』に転職します。『サークル』創始者であるベイリー(トム・ハンクス)は、隠し事のない完璧な社会を目指しており、新サービス「シーチェンジ」を発表。実験台モデルとしてメイを指名します。その実験とは、シーチェンジでメイの24時間がすべてネット上にシェアされるというもの。あっという間に一千万人を超えるフォロワーを獲得しアイドル的存在となったメイ。刺激的な毎日に興奮しますが、一方で友人や家族と疎遠になってしまいます。

 メイが地元の友人であるマーサーと疎遠になってしまったキッカケ。それはマーサーが鹿の角で作ったシャンデリアを撮影し、SNS上に投稿してしまったこと。メイはそのシャンデリアのデザインに感動し投稿したのに、世間の人は「マーサーは鹿殺しだ」と騒ぎ立てたのです。そのことで、マーサーはメイと疎遠に。しかし、その後もマーサーはSNSによってさらに苦しめられ、衝撃的な事件まで発生してしまうのです。

 皮肉にも、SNS嫌いなマーサーを演じたのは『6才のボクが、大人になるまで。』で12年間主人公のメイソンを演じ続けてきたエラー・コルトレーン。マーサーのSNSに対する嫌悪感や苦悩が、もしかしたらエラー自身にもあったのでは?と、彼のプライベートとも思わず重ねて観てしまうから、胸がチクチク痛みます。

 気軽にシェアした自分の投稿で、思わぬ人を簡単に傷つけてしまうということ。大切な人を簡単に失ってしまう可能性があること。他にもたくさん「SNSの恐怖」をリアルに体感できた本作。SNS中毒になってしまっている人は必見です。

(文/トキエス)

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