もやもやレビュー

マイナスなイメージを払拭できるほどの感動作に鳥肌がたった。『僕のワンダフル・ライフ』

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 昨年公開されたラッセ・ハルストレム監督の『僕のワンダフル・ライフ』。犬と人間の絆を描き、予告編だけで思わず泣きそうになる作品です。 しかし、日本公開される前、本作に関してとてもマイナスなイメージになってしまうニュースが話題に。それは、スタッフが撮影のために無理やり怖がる犬をプールの中へ落とそうとするもの。この動画の流出事件によって、本作は大炎上。海外の某映画レビューサイトでは最低評価にランク付けする観客が殺到したそう。主人公の犬ベイリーの声を担当した俳優ジョシュ・ギャッドや、ラッセ監督も問題になった撮影現場にはおらず、遺憾の意を表明したことでも話題になりました。こんなマイナスなイメージなのに、本作大丈夫か??と心配しましたが、結果、ハンカチがずぶ濡れになるほど大号泣でした。

 ゴールデン・レトリバーの子犬ベイリーは、車の中に閉じ込められ今にも死にそうだったところを、少年イーサンに助けられます。厳格な父親に反対されるも、イーサンはベイリーと一緒に暮らすことを決意。そこから二人は徐々に固い絆で結ばれていきます。時は経ち、大学生になったイーサン(K・J・アパ)は寮暮らしをするためにベイリーのもとを離れることに。そして、ベイリーにも最期の時が訪れます。眠るように亡くなったベイリーでしたが、イーサンと再会したい一心で生まれ変わりを繰り返すようになります。

 厳しい現場で働く警察犬や、女子大学生とスクールライフを共にする犬など、生まれ変わるたびまったく違うシチュエーション。しかし、そのたびに描かれているのは犬の忠実さ。「本当は人間なんかよりもっと賢いんじゃないか」なんて思わされます。生まれ変わるたびに描かれる人間との絆には、本当に涙します。犬を飼ったことがない筆者も号泣でした。

 犬目線で描かれているシーンも多く、絶対に犬の演技力がなければ成功しない作品。きっと、撮影現場でもその忠実さは発揮されたのだと思います。前述した流出事件は本当に腹立たしいですが、そんなマイナスなイメージを賢いワンちゃん達の演技が払拭してくれたと思います。「生まれ変わり」という奇想天外なテーマですが、人間がどう動物を飼うべきか、犬とどう接するべきかという重要なことまで教えてくれた感動作でした。

(文/トキエス)

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