もやもやレビュー

B級感の演出に失敗し駄作に転落『ハンティング・ザ・ゾンビ』

ハンティング・ザ・ゾンビ [DVD]
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 評価の定まっていない映画を、先入観を排して接しようとするあまり、地雷を踏みまくる。そこらのニートよりも時間をドブに捨てている。特にゾンビとかサメとか出てくる作品は何もかもが雑な作りだ。スポンサーは金が余って仕方がないどこぞの王様なのだろうか。ゾンビが出てくる本作もまた製作費をフルスイングでドブに投げ捨てたかのような代物になっている。

 ストーリーをかいつまんで紹介すると、アタマのおかしな博士がイカれた実験を強行し反対する職員が暴動を起こしたため全米がゾンビ感染。軍事訓練が趣味のボンクラ親子が日頃の修練を発揮できると大暴れ。ゾンビを車で撥ねる、ボーリングの球で頭部をフルスイング。息子は仕留めたゾンビと一緒に自撮りをパシャリ。ついでにゾンビの一本釣りも披露する。軍事訓練に釣りは関係あるのだろうか......。
 巨乳美女が下着を振って助けを求める建物に駆け付けたら、そこがこの事態の元凶である施設。職員たちと脱出しようと画策する中でゾンビ騒動は政府の仕業だと判明する。無事脱出を果たしたところで政府は核弾頭を施設に発射。どんなに狂った首脳でも自国民に核をブチ込むなんて考えないと思う。

 以上のように、物語は雑だしゾンビは適当に血のりを塗っただけだし登場人物は漏れなくアタマがどうにかしているし、B級映画の要素を全て満たしている。もう役満。頭を空っぽにする映画にとって重要なテンポもグダグダで、視聴後の疲労感が尋常でなかった。多分、酒を飲んで観たら途中で寝てしまう。
 世の中には意図的にB級感を演出し、観客や視聴者もそれを楽しむという趣味嗜好があるけれど、本作はそれに失敗していると思われる。テンポが悪ければ笑いは苛立ちに変わりチープな演出は単なる粗になる。「時間をゴミ箱に放り投げたい!」という高等遊民のような懐の深さがなければ視聴をやめておくことが正解だろう。
(文/畑中雄也)

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