もやもやレビュー

運命の相手のみつけかた教えます!『ピーチガール』

原作は累計発行部数1300万部を超える、上田美和によるウルトラヒットコミック!
1997年から2004年まで「別冊フレンド」で連載され女子中高生を中心に大ブームを巻き起こした伝説のコミックがついに実写化。
ヒロインの安達もも(山本美月)は地黒なことをコンプレックスにしているピュアで曲がったことが大嫌いな女の子。見た目のせいで周りからは尻軽女だと勘違いされたりもしているが、ももが密かに思いを寄せるとーじ(真剣佑)は本当のももを知っていてくれる。
そこに学校一のモテ王子カイリ(伊野尾慧)がひょんなことからももに思いを寄せて、まさかの三角関係に。ももの友達沙絵(永野芽郁)が小悪魔ぶりを存分に発揮して3人の関係をかき回す。はたしてこの恋の結末は・・・?

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どうしてこの漫画は、長く愛され続けてきているのだろう?
連載当時はとーじ派とカイリ派に分れて「彼氏にするなら絶対にとーじ!」「女心をわかってくれていつも楽しいカイリ!」と話に花を咲かせ盛り上がっていたものだが、これって『ブリジットジョーンズの日記』に似ている現象なのかもしれないと気がついた。
二人の男の間で揺れるヒロインを、いつの時代の女性も求め続けているのだろう。

本作では、主人公が高校生ということもあり、まだどうやって恋愛をしていけば良いのかわからないぎこちなさや、よく理由もわからないままに恋愛が終わりそうになる不安定さがすごく丁寧に繊細に表現されていた。
カイリが目指す職業も映画オリジナルであるにも関わらず、キャラクターの気持ちを表現する要素としてすごく大切な役割を果たしていたように思う。
そして、「計算なく幸せになる方法」をこの映画から吸収して帰宅できるお土産付き。
どんな人を愛したら良いのか正解はないけれど、本作がひとつのヒントになることだろう。

(文/杉本結)

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『ピーチガール』
5月20日(土)より公開中!

監督:神徳幸治
原作:上田美和『ピーチガール』(講談社「別冊フレンド」刊)
出演:山本美月、伊野尾慧(Hey! Say! JUMP)、真剣佑、永野芽郁、本仮屋ユイカ、水上剣星、升毅、菊池桃子 ほか
配給:松竹

2017/日本映画/116分
公式サイト:http://peachgirl-movie.jp
©2017「ピーチガール」製作委員会

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