『サプライズ』を観て、イスラエル護身術を習いたくなった。

　近年、痴漢にあったり、ひったくりに遭ったときのために、護身術を習う女性が増加しているそう。そんな中、東京には"世界最強の護身術"と名高いイスラエル護身術を伝授してくれるジムも誕生するなど、ますます興味惹かれている人も多いのでは？　そこで、護身術に興味があるけどなかなか腰が上がらない人にオススメしたい作品が、数々のホラー映画を世に生み出してきたアダム・ウィンガード監督のスリラー映画『サプライズ』だ。

　両親の結婚35周年を祝福するため、それぞれパートナーを連れて集結したデーヴィソン一家。しかし、久々に訪れた別荘は、誰かがいるような気配もあり、お隣の家からは同じ音楽が大音量で朝からリピートされている......不気味過ぎる状態。その日の夜、家族全員で晩餐会を楽しんでいたところ、長男と次男が喧嘩。ガヤガヤとうるさいリビングで、急に窓ガラスが割れる音が響き渡る。ふと見ると、末っ子の彼氏の額に一本の矢がグサっと刺さっていた。パニックになる家族に容赦なく矢を放つのは、ヒツジ、キツネ、トラなどのアニマル仮面を被った集団だった。

　さまざまな場所で次々と殺されていくデーヴィソン一家。もう家の中には安全な場所などない。そしてデーヴィソン一家は、パニック状態に陥っても兄弟喧嘩をぶり返すなど、本当に仲が悪い。もう誰も信用できない状態の中、次男の彼女であるエリンが、リビングに入って来たアニマル集団の一人をキッチン用品で容赦なく撲殺する。なぜか一人だけ強いエリン。トラップだらけで逃げ道のない家に、逆にアニマル集団の侵入を防ごうと家の中にあるもので罠を仕掛ける。そんな知識的にも精神的にもたくましいエリンは、きっと護身術を習っているに違いない！　というか、たぶんこんな状況、一生自分にはふりかかってこないだろうけど、護身術、習っておくべき！と、勝手に思えてきてしまう。それぐらい、エリンは無駄に強い。

（文／トキエス）