『ヘイトフル・エイト』を見て、冬のシチューは最強だと思った。
『ヘイトフル・エイト』 は、2月27日(土)より全国公開です!
ファンのみなさんお待ちかね! タランティーノ監督最新作『ヘイトフル・エイト』が2月27日(土)にいよいよ公開されます。『ジャンゴ 繋がされる者』(2012)で西部劇を極めたタランティーノ監督が、またまた西部劇を作っちゃった! しかもタランティーノ監督本人が「恐らく、これは俺の最高傑作といえるだろう」と公言するほど、確実にパワーアップした本作。今回はなんと、密室ミステリーなんです。
舞台は猛吹雪の夜。元騎兵隊の少佐の賞金稼ぎ・マーキス(サミュエル・L・ジャクソン)、同じく賞金稼ぎの男・ジョン(カート・ラッセル)、そしてジョンと手錠で繋がっている1万ドルの賞金を懸けられた女・デイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)など、計8人がロッジで足止めを食らっていました。吹雪が止む気配はまったくなく、2〜3日は一緒に過ごすことになりそう......。そんな中ジョンは室内の不穏な空気から「デイジーの仲間がいるのでは?」と警戒し始めます。やがて人種も境遇もバラバラの8人のはずが、なぜかそれぞれの過去が重なり始め、ついに殺人事件が勃発! もう誰が嘘ついてるのかわからない!
ロッジで外は猛吹雪というシチュエーション。暖炉もチェスも、温かいコーヒーも、本気で羨ましく思えてしまいます。特に、ほかほかのシチューを食べるシーン。集まった8人は揃って荒々しいので、シチューを器によそうのもかなり雑だし、食べ方も汚い。それなのにお腹が鳴るのは、タランティーノマジックなのでしょうか......もう食テロです。もちろん生温いシーンは、ここまで。その後は、頭ぶっ飛んだり、スプラッター映画なみに血が飛び散るシーン、過剰なアクション、ブラックジョークなどなど。期待を裏切るということを知りません。さすがタランティーノ監督です。
実は、脚本流出事件が勃発し、製作中止の危機にまでさらされていたという本作。ギリギリまで謎が解けない仕掛けにドキドキハラハラさせられ、おまけに食テロまでしてくる作品、公開されて本当に良かったと思えます。アナタも劇場で、タランティーノマジックにかかってみては?
(文/トキエス)
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『ヘイトフル・エイト』
2月27日(土)より全国公開
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
音楽:エンニオ・モリコーネ
美術:種田陽平
出演:サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンス、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーン
配給:ギャガ
原題:The Hateful Eight
2015/アメリカ/168分
公式サイト:http://gaga.ne.jp/hateful8/
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