バンドをやるのに年齢は関係ないんだね。『少年メリケンサック』

　「バンドやりたい！」と楽器に手を出してみたのは良いものの、続けることはすんごく難しい。「そういえば昔、バンドやりたかったな〜」「なんでちゃんと続けなかったんだろう」と、後悔する人も多いのではないだろうか。でも、あきらめるのはまだ早い!!　いくつになってもバンドは組める！　そう教えてくれる作品が『少年メリケンサック』。

　レコード会社の新人発掘部に務めるかんなは、動画サイトでイケメン4人組パンクバンド"少年メリケンサック"を発見!!　社長もすぐに気に入り、さっそく彼らと契約すべく、かんなは直接会いにいくことに。だが、メンバーは50歳過ぎのオッサンばかり。そう、かんなが見つけた映像は25年前のものだった！　だが既に"少年メリケンサック"の動画はかんなのレコード会社のHPにアップされており、10万アクセスを突破！　かんなはオッサンバンドを引き連れ、すでにチケットが販売されている全国ライブツアーを巡ることに......。

　みどころは、パンクの心を忘れていないオッサンたち。イケメンベーシストだったアキオは、オッサンになっても言葉も暴力的、そして汚い！　音楽への気持ちは昔のまま。「パンクって何？」とまったくパンクに興味のなかったかんなも、だらしなく、成長しないパンクなオッサンに囲まれることで、だんだん壊れ"パンクな女"になっていく様も面白い！　パンクのパの字も知らないぜ！　という人にも、パンクの面白さや情熱は伝わる内容になっているのではないだろうか。

　「ダサい！」「下手！」そんなヤジが飛び交っても、演奏を続ける少年メリケンサックを見ていると「これがパンクの正解なのではないか？」と思えてくる。今から楽器を初める自信がない！という人も、きっと本作を見れば自信が湧いてくるし、バンドを組みたくなるに違いない。下手でも良いのだ、勢いと音楽への情熱があれば。

（文／アヤカ）