人付き合いのすばらしい見本『ラースと、その彼女』
- 『ラースと、その彼女<特別編> [DVD]』
- ライアン・ゴズリング,エミリー・モーティマー,ポール・シュナイダー,パトリシア・クラークソン,クレイグ・ギレスピー
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会社や友達など、周りの人間関係に恵まれている人もいれば、そうでない人もいる。仕事上や、プライベートの付き合いで毎日のように自分の苦手な人とコミュニケーションをとらなくてはならない人は、時に面倒くさくなり一人になりたくなることもあるだろう。また、人の顔色を気にしすぎてストレスが溜まってしまったりと"人付き合いの問題"は様々である。
"ほどよい距離"を保って接することが一番だ!という改善策を見つけるも、なかなか上手くいかない方は是非、『ラースと、その彼女』の主人公ラースを参考にしてほしい。
ラースは純粋で優しい心を持ち、近所の皆に好かれているが、幼いころのトラウマがきっかけで人付き合いが苦手。兄夫婦の家の敷地内にガレージを改装して住み、狭い範囲での人間関係しか築くことができないでいる。そんなラースを兄夫婦は心配し、無理矢理にでもご飯に誘うがいつも断られていた。
ある日、ラースは心配する兄夫婦に"インターネットで知り合った女性"を紹介したいと車椅子の女性、ビアンカを紹介するが、ビアンカはなんとセクシャルな行為に使用されるリアルドールだったのだ。
人に触れることも会話することも苦手なラースがリアルドールと恋に落ち、懸命に愛する姿に、兄夫婦や近所の人々はラースを傷つけないようにと、ビアンカを一人の女性として扱うことに。
教会に連れて行ったり、髪を切ってあげたり。ラースのために近所の人々が力を合わせ優しく接するシーンでは、臆病ながらも周りに優しく接してきたラースの人柄と、その人柄から生まれた絆を実感することが出来る。
ビアンカを愛することで近所の人々との距離が縮まり、徐々にラースのトラウマが消えていくシーンは見所である。
また、ラースは人付き合いが苦手でも、いつも親切で笑顔を交えながら周りと接する。ラースのように、いつも笑顔で接していれば、もしかすると自分の悩みやトラウマを解決するために協力してくれる人が現れるのではないだろうか。また、本作の近所の人々のようなおおらかな優しさを持っていれば、いまの自分が直面している人付き合いのトラブルの改善策がみつかるかもしれない。
(文/アヤカ・ブルクレ)