もやもやレビュー

「育ての親」と「実の親」からの子どもへの愛を描いた作品『SARAH サラ』

映画『SARAH サラ』は2月7日(土)より、シネマート六本木ほかロードショー

10年前に夫を亡くし、一人娘のマルシャと一緒に暮らす主人公サラ。しかし実は、マルシャとサラは血がつながっておらず、人身売買や麻薬取引に手を染める犯罪組織のボスから政治家になったオスカーこそが、マルシャの実の親。しかもオスカーは、自分の過去を消すため、自分の部下にマルシャを殺すよう命令を出すのです。

sarah_sub4.JPG

「実の親」から突如命を狙われることになったマルシャを、「育ての親」であるサラが守るというインドネシアのアクション映画『SARAH サラ』(2月7日公開)。次々に襲いかかってくる敵を素手や蹴り、ナイフで次々なぎ倒す、サラの激しいアクションシーンが見どころです。さらに、同じインドネシアの大ヒット映画『ザ・レイド』(2001年)で一躍注目を浴びた格闘技「シラット」を使った肉弾戦も披露。というわけで、『ザ・レイド』、それからタイの『マッハ!!!!!!!!』(2003年)なんかも彷彿させてくれるのですが、本作では、女子もきっと共感できる「親子愛」にも注目。

sarah_sub1.jpg

サラとマルシャに加えて、「親子愛」を盛り上げるもう一人のキーマンが、オスカーの妻パキタ。つまり、マルシャの実のお母さんです。パキタは夫に罪を着せられ服役中の身でしたが、彼が実娘を殺そうとしていることを知ると、娘を守るために脱獄を敢行。サラに負けず劣らず激しいアクションを披露してくれます。

激しいアクション映画であるとともに、マルシャに対するサラとパキタそれぞれの「親子愛」が感じられ、ちょっぴり切ない心境にもなる本作。男女ともに別の楽しみ方もあるので、デートにもお勧めです。僕は一人で観に行きましたけど。

(文/小山田滝音)

***

『SARAH』
2月7日(土)より、シネマート六本木ほかロードショー

原題:GUARDIAN
監督・脚本・プロデューサー:ヘルフィ・カルディット
出演:ドミニク・ディヨセ、サラ・サンガン・カーター、ティオ・パクサデウォほか
配給:チャンス イン
2014/インドネシア/94分

公式サイト:http://sarah-movie.com
© 2014 PT. SKYLAR FILM. ALL RIGHTS RESERVED.

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム